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- 2013.10.26 Saturday
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大好きな伊坂さんの作品。
・・・だけど、感想が難しい。
前に読んだ『SOSの猿』もそうだけど、
完全に伊坂さんの趣味っぽいというか、
万人受けしようとしてない感じ。
(伊坂さんもあとがきにも書いていますが)
ミステリーでもないし、ファンタジーでもない。
現実と非現実が混ざった不思議な世界でした。
簡単に言うと、野球好きの両親に野球で王となるように・・・と、
「王求(おうく)」と名づけられた主人公の一生のお話。
彼は、本当に野球の天才になったけど、
天才がゆえに敬遠され、周りから妬まれ、
ついには、まともに野球をさせてもらえない状況にまで・・・
このお話のキーワードは、
シェイクスピアの名作「マクベス」に登場する有名な台詞、
「Fair is foul,and foul is fair」
訳すと・・・「きれいはきたない、きたないはきれい」
何が言いたいんだ??と思ってしまうキーワードですが・・・
最後まで読んでも、わかったようなわからないような(笑)
「Fair is foul,and foul is fair」
いいことがいい、悪いことが悪い、とは限らないってことか。
天才の一生って・・・・幸せなものとは限らないのかも?
なんとも不思議な余韻が残るお話でした。
ストーリーの舞台は、池井戸さんお得意の銀行。
企業小説かなと思って読み始めましたが、ミステリーでした。意外!
銀行員の伊木が、同期で親友の不審な死の真相を探るうちに、
銀行の不正も明らかになり、自分も命を狙われることに・・・
必要以上に人が殺されてるような気はしましたが、
緊張感があって読みながらドキドキしました。
銀行の内部事情のこと、企業間のお金の流れのことなど、
あまり知識がない私でも、
するっと理解できるわかりやすさは、さすが!
こんなことで殺人まで犯すかな?という疑問はありつつも、
先が気になって一気読みでした。
なんといっても、主人公が人間としてカッコイイんですよね。
池井戸さんの小説に出てくる主人公はみんなそうですが、
正義感が強くて、組織に流されないので、
つい応援したくなってしまいます。
そして、やっぱりちょこっと恋愛も絡んでいたり。
結末も、正義は勝つ!し、パターンは同じなんだけど、
何を読んでも読後感がいいので、安心して読めます。
ミステリー、もっと書いて欲しいです!
池井戸さんはあとは、「俺たちバブル入行組」シリーズも読みたいな♪
2011年の本屋大賞2位の作品。そして、山本周五郎賞!
これは期待できるはず☆と図書館で借りてみました。
読み始めてびっくり(@_@)
これは・・・・なんだ??
最初からちょっと変態な性描写だらけ。コスプレですか・・・?
本屋大賞&山本周五郎賞なんて・・・ほんとですか?
と、若干引き気味に読み始めましたが、
途中からなぜか引きこまれました。
章ごとに主人公が変わりながら、全体が繋がっているという構造。
最初の主人公は、助産師のお母さんと2人暮らしの高校生の斉藤くん。
ふとしたきっかけで、主婦とコスプレ関係になるわけですが・・・
第2章は主婦が主人公。
第3章は斉藤くんの彼女が主人公。
第4章は斉藤くんの高校の友達が主人公。
第5章は斉藤くんのお母さんが主人公。
といった感じで、それぞれの立場でストーリーが展開しますが、
みんな悩みが深く、重く、切ない・・・
どうしようもない「ふがいない」人たちのお話だけど、
第4章の「セイタカアワダチソウの空」を読んで、
痴呆の祖母の世話をしながら健気に頑張る福田くんに感動。。
全然救われない感じなのに、妙に爽やかで、不思議な涙が出ました。
コスプレ話が必要かどうかは別として、
どんな状況でも、おかしな方向に向かってしまっても、
生まれたからには前向きにがんばるしかないよね、と思えてきます。
いいお話ってわけではないけど、
最初のコスプレで諦めず最後まで読んでよかった(笑)