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- 2013.10.26 Saturday
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積読本になっていた奥田さんの長編。
面白かったぁ〜。
東京オリンピック開催に向けて盛り上がる戦後の日本。
急激に成長する東京と相変わらず貧しい地方。
地方出身ながら東大エリートの青年島崎が、
その格差社会に対する反逆(テロ)を企てるというお話。
もちろんテロに賛成するわけではないけれど、
格差社会を変えたい!何も変わらなくても、思いを伝えたい!
そんな島崎の気持ちがひしひしと伝わってきて、
思わず応援したくなってしまいました。
東大エリートで、本当であれば将来が約束されているのに、
建設現場で人夫として働いていた兄の死をきっかけに、
自分も人夫の世界へ足を踏み入れ、
始めて知った過酷な下流の世界。
純粋だからこそ許せないこと。
切り捨てられていい人間などいない、という思い。
島崎が悪者にはどうしても思えない。。
上下巻でずっしりとした内容でしたが、
下巻は、警察と島崎の攻防がハラハラドキドキで一気読み。
帯に「これが私の現時点での最高到達点です」とあるとおり、
本当に濃くて素晴らしい小説でした☆
奥田さん、伊良部先生とか笑える本もいいけど、
こういうのまた書いて欲しいなぁ。
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奥田さんのミステリー初読みです。
主な登場人物は3人。
奥さんを亡くして以来不眠症。奥さんを忘れられない、九野薫刑事。
郊外に持ち家と、サラリーマンの夫、二人の子持ち。平凡な主婦、及川恭子。
ちょっと不良な高校生、渡辺祐輔。
きっかけはちょっとした放火事件。
殺人!とかではないんですよね。
事件としてはこれだけ!?という感じですが、
その「これだけ!?」という事件のために、
平凡な主婦恭子がどんどん追い詰められて変わっていく様子がやけにリアルでした。
犯人探しのミステリーではなく、
その辺の人間の心理的な部分の描写がすごかった!
自分だったらどうするだろう・・・?
この平凡でも幸せな生活が何かのきっかけで崩れるとしたら・・・?
と考えただけで、ゾッとしました。
恭子に感情移入して、途中泣けました。。
何があるかわからないよなぁ〜人生。
ハラハラする中で、九野と義母の関係があったかくて、癒されました。
が・・・意外な事実にびっくり。
ミステリーっぽくないなぁと思いつつ読んでたけど、
そこだけミステリーっぽいかも(笑)
そういえば、「邪魔」って、2001年のこのミステリーがすごい!で2位だったんですね。
(その年の1位は「模倣犯」)
『ワーキング・マザー』が立場的には一番近くて共感できました。
育児を「錦の御旗」にしていないところがかっこいいなぁ。
私もがんばろ〜!
前から読みたいなぁ〜と思っていた奥田さんの本。
図書館で借りて読みました。
笑える!と評判のとおり・・・笑えました^^
主人公はかなり変わり者の精神科医・伊良部。
登場する患者さんごとに章が分かれてて、短編のような感じ。
どの患者さんもちょっと変わった病気ばかりだけど、
普通の人たちがちょっと行過ぎるとこうなるのか・・・と思えるくらい、
あながちあり得なくもない気もして、なかなかリアルでした。
とにかく困りに困って駆け込んできた患者さんに対して、
伊良部の診察(?)が非常識であり得ない(笑)
「こんなヤツは絶対に悩みはないだろう・・・」
と思える無神経さで患者さんの神経を逆撫でしまくり。
なのに最後には、なぜか彼に癒される・・・というパターン。
パターンは決まってても、最後まで楽しく読めました♪
こんな精神科医はフィクションだからこそだけど、
けっこうはまりました。
疲れてるときにオススメです♪
次は『空中ブランコ』かな。